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執筆者の写真高崎さと鍼灸院

薬膳茶、はじめます。



目次

(1)はじめに

(2)薬膳と薬膳茶

(3)薬膳茶

(4)12月の薬膳茶



(1)はじめに


「お茶を飲む」という習慣は生活の中にすっかり定着していて、私たちは、日ごろの活動の合間合間にお茶を楽しんでいます。


しかし、そんなお茶も、もともとは中国の禅寺で修行中に飲まれていたものを、鎌倉時代に栄西が日本に持ち帰って栽培が始まり広まったものです。


その頃のお茶は、単なる嗜好品ではありませんでした。栄西はその著、『喫茶養生記』の中に、「茶は養生の仙葉なり」と記しています。むしろお茶は、その薬効を期待して飲まれていた「薬」のようなものだった、ということがこのことからもよく分かります。


私たちが日ごろ飲むお茶も、できれば身体にやさしく、身体の不調をととえのえてくれる「おいしく飲める薬」であってほしいと思います。そんなお茶が「薬膳茶」です。この薬膳茶を当院でも12月よりご希望の方にお出しすることにしました。



(2)薬膳と薬膳茶


「薬膳」は、紀元430年ころに成立した『後漢書』ではじめて使用された言葉で、漢方医学理論をベースに体質や症状、体調、季節などに合わせて作られる料理を指す言葉です。そして、その考え方のルーツは、日常の食事の中で健康維持や病気の予防・治療をしようという、「医食同源」、「薬食同源」という言葉の中にあります。


ところで、中国で最も古い薬学書とされる『神農本草経』の中では、薬物を3つの種類に分類しています。

その3つとは、長く食べ続けて問題のないもので、不老不死が叶えられるという「上品(じょうぼん)」、病気の際に治療薬として使う「中品(ちゅうぼん)」、薬としての効力は強いが同時に強い毒性も含んだ「下品(げぼん)」です。


紀元前1000年頃の周王朝の時代には、官職として「食医」という位が設けられていましたが、食医はこうした長く食べ続けて問題のなく薬効も高い食用の植物を用いて、日々の食事をとおして帝王の健康を保っていました。

 

こうした伝統のある薬膳を、最も手軽な形で利用しようとして近年生まれたのが「薬膳茶」です。



(3)薬膳茶

 

薬膳茶を作るときによく用いられるものとして「食薬」があります。食薬とは、漢方薬の材料として用いられる生薬のうち、食材としても用いられる素材、先ほどの言葉でいえば「上品」のことで、高麗人参やなつめ、クコの実などがその代表です。


食薬は茶葉と組み合ることも出来ますし、単体やあるいは組み合わせて用いることもできます。たとえば、「なつめ生姜茶」です。


なつめ生姜茶のなつめには、消化機能を整え、精神を安定させ元気づける効果があり、アンチエイジングにもおすすめです。これに身体を温め、新陳代謝を促進する生姜が加わることで、さらに活力全体がアップします。

この2つを組み合わせたなつめ生姜茶は、なつめの自然な甘さに生姜のピリッとした辛さが加わり、身体に良いだけではなくおいしく味わい深い飲み物になっています。


実は、わたしたちが昔から慣れ親しんでいる「緑茶」も、見方を変えれば薬膳茶ということができます。なぜかといえば、その茶葉には身体の熱をさまし、目や頭をスッキリさせたりする働きがあるからです。したがって緑茶は、のどにうるおいを与える薬膳茶であり、熱による頭痛によい薬膳茶ともいえるのです。



(4)12月の薬膳茶



12月からお出しする薬膳茶は、紅茶をベースに、玫瑰花(まいかいか:バラの一種ハマナスのつぼみ)、棗(なつめ)、生姜、はちみつを加えたものです。


詳しくは下にまとめましたが、体を温め、消化吸収を促進する冬にふさわしい飲み物になっています。飲みやすいお茶ですので、ぜひ一度お飲みいただけたらと思います。


ベース

 紅茶…体を温め、精神を安定させます。血の巡りをよくするので、冷えや肩こりに効果的です。


食薬

 玫瑰花…気血のめぐりを良しく、体を温めます。月経痛などの婦人病にも効果的です。

 棗…滋養強壮に良く、胃腸の調子を整えます。不眠、イライラなどもやわらげます。

 生姜…体を温め、新陳代謝を促進します。むくみ、冷えなどに効果があります。

 はちみつ…肺を潤し、咳や痰、皮膚の乾燥を防ぎます。風邪予防にもなります。


ご興味のある方は、ぜひこの機会に当院へお越しください。




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